学校法人河合塾様 デザインリサーチ・プロジェクト
~顧客視点からのサービスデザイン事例~

CLIENT
学校法人河合塾様

河合塾様では、顕在化されている課題に対しての改善だけではなく、顧客が真に求めている潜在的なニーズに対してのサービス施策を検討するため、顧客が本当に求めているサービスを提供するための「顧客コミュニケーションのあるべき姿」を考えるプロジェクトとして、「デザインリサーチ・プロジェクト」を企画し、サービス施策を立案しました。

BACKGROUND

河合塾様では、学びつづける人を支援するために顧客の声やWebサイト上の顧客の行動分析を行うことで顕在化されている課題に対して、問題解決型のアプローチで提供するサービスやWebサイトなどの改善を行ってきました。
しかし、入試制度の多様化・複雑化などにより顧客が塾に求める価値も変化する状況の中、顧客が真に求めている潜在的なニーズに対しての一貫したサービス施策を検討する必要があるという課題を抱えていました。
顧客が本当に求めている要求に対してチャネルを問わない一貫したサービスを届けるための「顧客コミュニケーションのあるべき姿」を検討し、サービス施策を立案しました。

APPROACH

ユーザーモデリング

定量調査(アンケート調査)・定性調査(インタビュー調査、校舎や講座のエスノグラフィ調査)を組み合せて顧客のペルソナや現状(As-Is)のカスタマージャーニーマップを作成、顧客とのコミュニケーションの実態を分析しました。この結果から顧客自身も気づいていない塾選びに対する「本当の課題」や「求めている価値」として以下の3点が明らかになりました。

塾選びに対して顧客が求めていること

  • 塾選びの過程は、考え始める時期や検討期間の違いがあってもパターンは1つだけ
  • 塾に通うことを考える”きっかけ”は受動的で、なるべく塾には行きたくない
  • 「志望校に合格するための塾を選ぶ」ことより「自分に合う学習方法を知る」ことを考えた結果、通う塾を決定している

コンセプトデザイン

ユーザーモデリングの結果を基に、顧客に提供すべき価値のコンセプトと、コミュニケーションのあるべき姿を策定しました。発想方法として、顧客のニーズから提供価値を考える『構造化シナリオ法』と、将来起こりうる変化からバックキャスティングして着手すべきコンセプトを検討する『シナリオ・プランニング』という2つの異なるアプローチを採用しました。
特に『シナリオ・プランニング』では多様な立場の方からの意見・アイデアを取り入れるため、普段から高校生と接している河合塾様の校舎職員と大学生チューター、大学受験を検討している高校生と保護者を招いたワークショップを開催しました。

コミュニケーションデザイン

顧客に提供すべき体験のコンセプトを実現するためのストーリーを、To-Beのカスタマージャーニーを描き、その体験を河合塾様で提供するための仕組みを考えるため、顧客行動に合わせてスタッフやサービス、システムがどう連携して動くかを明らかにする「サービスブループリント」を作成し、理想的な塾選び体験の中で、校舎やWebサイトで担うべき役割と機能を定義しました。

PROJECT RESULT

従来は河合塾様にて実施できることから施策を考えていた状況に対して、今回のデザインリサーチ・プロジェクトでは顧客の本当に求めている要求を発見し、それを満たすサービス施策の立案と実現方法を検討することで、サービス全体を通してWebサイトのあるべき姿や個別チャネルでの施策を導き出しました。

顧客が河合塾様に求めている一連の顧客体験を実現するため、現在はWebサイト以外の施策も検討が進められています。校舎でのサービス改善、イベント、冊子の企画において、本プロジェクトにより創出した施策の実現に向けた検討が進められています。

今回採用した手法

ユーザーインタビュー、ペルソナ、カスタマージャーニーマップ、ユーザーモデリング、バリュープロポジションキャンバス、構造化シナリオ、シナリオプランニング、サービスブループリント

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