オウンドメディアによるエンゲージメント向上に関する調査 ―会員登録者の86%にポジティブな変化あり―

2012.10.16

「オウンドメディアによるエンゲージメント向上に関する調査」を実施いたしました。調査期間は2012年8月31日~9月1日、有効回答数は927名から得られました。

調査結果の概要

Webマーケティングにおいて、トリプルメディア(オウンドメディア/owned media、アーンドメディア/earned media、ペイドメディア/paid media)が広く知られるようになり、情報が掲載されているだけの従来のコーポレートサイトではない、自社コミュニティやゲームなどを備えたオウンドメディアを構える企業が増えています。

そこでIMJ では、会員組織のあるオウンドメディア(EC サイトを除く)に会員登録しているユーザーを対象に、登録前後での行動や気持ちの変化、またオウンドメディアの利用方法を把握する調査を実施いたしました。

今回の調査では、オウンドメディアに登録する前と登録後(現在)で、「認知・想起率の向上」「積極的な行動変化」「イメージアップ」の各項目に、当てはまっていた(いる)程度を10段階評価で回答していただき、その差分からオウンドメディアによる影響を分析しています。

オウンドメディア調査結果

オウンドメディアへの登録前後でいずれかの項目の点数が伸びたユーザー、つまりポジティブな影響を受けたユーザーは全体で86%となり、項目別では、「認知・想起率の向上」(73%)、「積極的な行動変化」(68%)、「イメージアップ」(60%)と、いずれも高いことがわかりました。

オウンドメディアにアクセスしている頻度が高いユーザー、滞在している時間が長いユーザーほど「認知・想起率の向上」「積極的な行動変化」「イメージアップ」の数値が高い様子も伺えます。

さらに、オウンドメディアでポイントを貯めているユーザーは、アクセスしている頻度も高く、(週3回以上アクセスしているユーザーが全体では約3割、ポイントを貯めているユーザーでは約5割)、オウンドメディアでのポイント施策が顧客エンゲージメントにつながることが、調査結果からわかりました。

また、ポジティブな影響をオウンドメディアから受けたユーザーは、調査対象者全体に比べ、オウンドメディア内でキャンペーンに応募すること、ゲームで遊ぶことが多い結果となり、インセンティブやエンターテインメント目的であったとしても、オウンドメディアに接触することで顧客エンゲージメント強化につながると考えられます。

調査結果のトピック

  • オウンドメディア登録者の8割以上がポジティブな変化
  • 生活消費財メーカーのオウンドメディアは「推奨」「共有」、店舗サービスのオウンドメディアは「来店誘導」に効果あり
  • オウンドメディア登録者の半数以上が閲覧後に購入頻度向上、クロスセルに繋がる
  • アクセス頻度が高い、滞在時間が長いユーザーほど態度変容あり
  • インセンティブ、エンタメ目的であれオウンドメディア登録による態度変容あり
  • オウンドメディア内でポイントを貯めているユーザーのうち約半数が週3回以上、75%が週1回以上オウンドメディアにアクセス
  • 企業とのコミュニケーションにより6割以上がエンゲージメント向上

上智大学准教授 杉谷陽子氏コメント

一般的に消費者のブランドへの「接触頻度」と「関与」を増やせば増やすほど、業界を問わず、ブランドに対しての心理的な距離が近くなり、ポジティブな印象が作られていきます。
企業はオウンドメディア上でキャンペーンへの応募やゲームへの参加、ポイントを貯めるといったコンテンツを提供することで、ユーザーとの接触頻度を上げ、また、サイト内で自発的な行動を促すことで関与を高めることが出来ます。それらの行動によってユーザーはブランドに対する身近さを感じ、潜在意識の中で『このブランドが好きなんだ』という再確認が行われることになるのです。
今回の調査でも多くの人にオウンドメディアを通じてポジティブな変化が起きている結果が出ていますが、これはある意味当然の結果であるとも言えます。
企業はオウンドメディアを利用することで、顧客とのより良い関係の構築ができるのではないでしょうか。


杉谷陽子氏

<杉谷 陽子氏 プロフィール>

上智大学経済学部経営学科准教授。
慶應義塾大学商学部卒、一橋大学大学院社会学研究科修了。博士(社会学)。
日本消費者行動研究学会幹事、産業・組織心理学会理事。専門領域は、消費者心理学、マーケティング論。

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