一覧へ戻る

三和交通株式会社様

生活者のインサイトから、TURTLE TAXI(タートルタクシー)という新しいサービスを開発

サービスデザイン ソーシャルグッド ブランディング

乗客がボタンを押すとゆっくり走るタクシーを三和交通様と共同で開発

2014年度 グッドデザイン賞&グッドデザイン・ベスト100 受賞!

画像ALTを入力してください

三和交通株式会社と共同開発した「タートルタクシー」が、この度「2014年度 グッドデザイン賞・ベスト100」を受賞いたしました。

グッドデザイン賞では、受賞にあたり、「既成価値に疑問を持ち、逆転の発想で新しい価値観を提案している。低いコストや効率が重視されるタクシー業界に「ゆっくりでもいいから安全で快適に移動する」というこれまでにない魅力を作り出した。アイデアを発想するだけでなく、実際に企画を提案し、導入、運用まで展開している点が素晴らしい。また、CO2排出量削減を実現、電話からのタクシー予約本数も向上させるなど、ビジネスモデルとしても成功している。ぜひ汎用的な仕組みとして日本全国に広め、多くの利用者に新しい価値観を提供してほしい。」と評価をいただきました。

グッドデザイン賞受賞詳細ページはコチラ

クライアントの課題

バブル崩壊以降、タクシー業界は利用者の減少により市場が収縮している一方、2002年の規制緩和により供給過多の状態が続いています。2008年度以降4年連続業界売上高が減少(2008年度1兆3,305億円→2011年度1兆2,513億円)、2012年度の倒産件数も過去最多を記録しています。
このような過当競争のタクシー業界において、横浜地区を中心にタクシー会社を運営する三和交通は、子育てママを応援する「キッズタクシー」、安全安心な出産をお手伝いする「陣痛110番登録」、かかりつけ病院への通院をサポートする「いつもの通院登録」など、生活者の悩みを手助けするサービスを展開することで、地域に愛され選ばれるタクシー会社を目指しています。
IMJでは、更に地域との結び付きを強める施策として、これまでにない全く新しいサービスを企画・提案しようと考えました。

問題解決へのアプローチ

まずは、タクシーを利用するにあたり、何が障壁となっているかを様々な角度から調査し、タクシー利用を避ける要因として、「急いでいないことを運転手に伝えない(伝えられない)」という乗客側のインサイトを発見。それを解決する施策として、ボタンを押すとゆっくり丁寧に走るタクシーというサービスを開発し、2013年12月から運行を開始しました。

76%の人が「ゆっくり丁寧に運転してほしいと思ったことがある」

画像ALTを入力してください

タクシーの運転手は、多くの場合急いで運転します。その理由は運転手が「ほとんどの乗客は急いで目的地まで行きたがっている」と思い込んでいることでした。
一方、タクシー利用者に対してアンケート調査を行ったところ、約76%の人が「ゆっくり丁寧に運転してほしいと思ったことがある」と回答しました。特に、子ども連れ、妊婦、泥酔客を含む体調の悪い人などから、そのような要望が多く聞かれました。

続いてインタビュー調査により、ほとんどの乗客が「運転手に対して何らかの要望を伝えづらい」と感じていることもわかりました。つまり、「ゆっくり丁寧に運転して欲しい」と望んでいるにも関わらず、タクシー車内という空間では運転手に対してそれを伝えることができず、利用を敬遠している人々が存在していることが判明しました。

乗客がボタンを押すとゆっくり走るタクシーを開発

画像ALTを入力してください

そこでIMJでは、業界初となる、ゆっくり走るタクシー「TURTLE TAXI(タートルタクシー)」を企画・提案し、三和交通と共同で開発しました。

亀のキャラクターをあしらったデザインの「TURTLE TAXI」は、通常他のタクシーと同等の速度で運行しますが、助手席裏に設置した「ゆっくりボタン」を押すと、それを運転手が認識し、通常より更にゆっくりと丁寧で快適な運転に移行します。
ボタンが押されるとフロントガラスに「ゆっくり走行中」と表記されたパネルが掲示され、目的地到着後、“ゆっくり運転”した距離が記載されたサンキューカードを運転手から乗客へ手渡します。また、集計した走行距離をWebサイトに掲載しています。

運転手と乗客のコミュニケーションを円滑に

画像ALTを入力してください

今までタクシーの乗客は「急いでほしい」という要望を運転手に伝えることはありましたが、「急いでいない」ことを伝えることはありませんでした。しかし運転席と後部座席をつなぐボタンの導入により、今まで把握できなかった「急いでいない乗客」を顕在化することが可能になりました。

また、ボタンがあることによって乗客はゆっくり丁寧に走ってほしいことを運転手に伝えやすい雰囲気になり、ポジティブなコミュニケーションが生まれやすい空間になりました。

IMJでは、タートルタクシー全体のサービスデザイン、車載装置の設計開発、各種制作物のデザイン、Webサイト制作、広報・PR活動のサポートなど、多岐に渡って三和交通様をサポートしました。


施策による効果/成果

  • 地域から愛されるサービスとなり、タクシーの電話予約数もアップ

サービス導入後3ヶ月間で1,274回ボタンが押され、4,316kmを“ゆっくり運転”しました。その後も多くの方々に利用され、地域から愛されるサービスとなっています。
またこの新たな取り組みはメディアからも注目され、国内外のテレビ・ラジオ・新聞・雑誌などに多く取り上げられました。
結果的に、前年同時期と比較して電話からのタクシー予約本数が113%に向上し、三和交通の売上にも貢献することができました。

また、“ゆっくり運転”することでエコドライブにもつながり、通常運転時より2%ほど燃費が改善、それによりCO2排出量削減にも貢献しました。
企業・利用者・地域にそれぞれメリットのある「三方良し」の施策を実現し、三和交通全体のブランド価値向上に寄与しました。

クライアント名

三和交通株式会社

業種

一般乗用旅客自動車運送事業(ハイヤー・タクシー)

URL

http://turtle-taxi.tumblr.com/[別ウィンドウで開きます]


本件に関するお問い合わせ
本件に関するご相談やご質問など、こちらからお問い合わせください。